消費税課税事業者選択不適用届出書の提出要件
当社は事業用不動産の賃貸業で、10年ほど前に当法人を設立した際、「消費税課税事業者選択届出書」を提出して消費税課税事業者となり、本則課税で消費税申告を行って還付を受けました。設立以後現在までずっと基準期間の課税売上高は毎年2000万円前後であり、現在は「消費税簡易課税事業者選択届出書」を提出して、簡易課税にて継続して消費税を申告しています。設立時以外で、調整対象固定資産の取得も、高額特定資産の取得もありません。
今後も課税売上高は継続して2000万円前後を維持する見込みですが、将来いつか課税売上高が1000万円を下回った際にミスが生じないように、設立時に提出した「消費税課税事業者選択届出書」を一旦リセットしておきたいと考え、「消費税課税事業者選択不適用届出書」を当期に提出しようと考えています。
当期の基準期間の課税売上高も1000万円超のため引き続き消費税の課税事業者ですが「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出することは可能でしょうか、それとも基準期間の課税売上高が1000万円未満になって消費税の免税になる見込みの時でないと「消費税課税事業者選択不適用届出書」は提出できないのでしょうか。
- 投稿日:2024/09/04
- 回答件数:3件
税理士・会計事務所からの回答
- 相田会計事務所
東京都文京区千石3-14-5パークハイム千石403
不適用届を提出しても、基準期間の売上高が10百万を超えていれば、課税事業者であることには代わりはありませんが、将来、売上が10百万を下回れば免税事業者になりますね。
なお、ご説明の前提条件であれば、提出は何時でもできます。回答日:2024-09-04
- 鹿野正樹税理士事務所
東京都葛飾区東立石3-21-5アンビエンテ東立石101
消費税課税事業者選択不適用届出書は消費税課税事業者選択届出書を提出して課税事業者となった課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ提出することはできません。また、調整対象固定資産を購入した場合等と国税庁のHPに記載されています。
よって1千万未満になる見込みがなくても提出できます。回答日:2024-09-06
- ビジョン税理士法人【オンライン無料相談】大歓迎
神奈川県横浜市戸塚区品濃町549番地2三宅ビル3階302号
「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出する条件についてですが、基本的なルールは次の通りです。
1. 提出のタイミング
「消費税課税事業者選択不適用届出書」は、消費税課税事業者選択届出書を提出して課税事業者になった事業者が、課税事業者の選択をやめたい場合に提出する書類です。この届出書を提出するための要件として、少なくとも課税事業者の選択をしてから2年間は経過している必要があります。質問のケースでは、10年前に課税事業者選択届出書を提出しているため、この要件はクリアしています。
2. 課税売上高と提出要件
「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出するには、必ずしも基準期間の課税売上高が1000万円未満である必要はありません。つまり、基準期間の課税売上高が1000万円を超えていても、「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出することは可能です。ただし、提出するタイミングによって次年度から免税事業者になるかどうかが決まります。
具体的には、届出書を提出した翌事業年度から免税事業者になることができます。たとえ現時点で課税売上高が1000万円を超えていても、将来的に基準期間の課税売上高が1000万円を下回る可能性に備えて、今のうちに「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出することは許容されます。
3. 不適用届出書の提出後の影響
「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出した場合、翌事業年度から免税事業者になるためには、基準期間の課税売上高が1000万円未満である必要があります。つまり、仮に売上高が継続して2000万円前後であれば、届出書を提出してもその事業年度は課税事業者のままとなります。
また、一度不適用届出書を提出して免税事業者になった場合、再度課税事業者を選択するには、再度「消費税課税事業者選択届出書」を提出する必要がありますが、選択すると再び2年間は課税事業者でなければなりません。
4. 結論
基準期間の課税売上高が1000万円を超えている場合でも、「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出することは可能です。提出後、翌事業年度から免税事業者になるためには、その年度の基準期間の課税売上高が1000万円未満である必要があります。したがって、将来の免税事業者への転換を見据えて、早めに不適用届出書を提出することは、ミスを防ぐためにも適切な選択といえます。回答日:2024-09-07