自己株式取得時のみなし配当の計算について

    自己株式を取得する際に一定の金額を超える部分は税務上は配当としてみなされると思います。(資本の払い戻しとみなされる部分と利益からの配当とみなされる部分に分ける)

    その際の資本の払い戻しとみなされる部分の計算は
    Ⓐ資本金等の額
    Ⓑ自己株式の取得株数(この計算の際に新たに取得する株数)
    Ⓒ発行済株式総数
    Ⓐ×Ⓑ/Ⓒ
    になると思います。

    この時、新たに取得する自己株式とは別で、それ以前から既存の自己株式がある場合に
    Ⓐの「資本金等の額」の金額はその自己株式科目の金額を控除した後の金額でしょうか?
    Ⓒの「発行済株式総数」は自己株式の数量を控除した後の数量(議決権のある株式の数量)でしょうか?

    前提として弊社は非上場の中小で単元株などもないです。単純なケースを前提としていただければ。

    例として資本金110万円
    自己株式▲10万円
    株式総数110株
    自己株式10株
    議決権株数100株
    現在この状態で新たに自己株式を取得するとすれば上記計算は
    Ⓐは110万円なのか100万円なのか
    Ⓒは110株なのか100株なのか

    • 経理・記帳・仕訳
    • 投稿日:2026/07/31
    • 回答件数:1件

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    税理士・会計事務所からの回答

    • ふじみの会計事務所

      埼玉県ふじみ野市鶴ケ岡3-5-8

      結論として、Ⓐは会計上の「資本金−自己株式」ではなく、税務上の「取得直前の資本金等の額」(別表五(一)Ⅱの金額)を使います。Ⓒは自己株式を除いた株数で、例では100株です。

      ① 条文の定め
      資本の払戻しとみなされる部分(取得資本金額)は、「直前の資本金等の額÷直前の発行済株式等の総数×取得株数」で計算します(法人税法施行令8条1項20号イ、23条1項6号イ)。
      この「発行済株式等」は、法人が持っている自己株式を除くと定められています(同令23条1項1号、8条1項20号イ)。そのため、Ⓒは100株です。

      ② Ⓐの考え方
      既存の自己株式を取得した時点で、税務上はすでに資本金等の額を取得資本金額だけ減らしています(同令8条1項20号)。取得対価のうち、それを超える部分はみなし配当として利益積立金額を減らしています。
      そのため、会計上の自己株式の帳簿価額(取得対価)をそのまま差し引いた金額とは一致しないことがあります。前回の処理後の別表五(一)Ⅱ「資本金等の額の計算に関する明細書」の金額を使い、期中に変動があれば取得直前の金額に直します。

      ③ 例での当てはめ
      仮に、前回の取得前の資本金等の額が110万円(資本金のみ)で、既存の10株を10万円で取得していたとします。取得資本金額は110万円÷110株×10株=10万円で、直前の資本金等の額は100万円です。
      今回は100万円÷100株で、1株あたり1万円になります。既存の自己株式は分子からも分母からも除かれるため、1株あたりの金額は前回と変わりません。
      前回の取得対価が10万円未満だった場合や、資本剰余金がある場合は、Ⓐが100万円にならないことがあります。別表五(一)Ⅱで確認してください。

      ④ 実務の注意点
      ・交付する金額が取得資本金額を超える部分が、株主のみなし配当です(法人税法24条1項5号)。
      ・株主が個人なら、非上場株式の配当として20.42%の源泉徴収が必要です(国税庁タックスアンサーNo.1330)。令和9年1月1日以後の支払は税率の内訳が変わるとされています。
      ・株主側では、みなし配当以外の部分が株式の譲渡収入になります(No.1536)。

      ※本回答は一般的な情報提供を目的としたものです。詳細な判断は管轄の税務署への確認や、税理士への個別相談をお願いいたします。

      回答日:2026-09-28

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